「体調」には季節サイクルがある
ストレス症状の代表的なものに、「食欲不振」「不眠」「疲労感」があります。これらは、季節性を持っていることが確認できました。
暑い季節には、食欲が減り、寝苦しいことが多くなり、疲労感が高まります。寒い季節にはその傾向が弱まります。
下記グラフは、「食欲不振」「不眠」「疲労感」についての10年間の月間推移(赤色)と、気温(緑色)との関係です。気温は気象庁データによる東京の月間平均気温を用いています。
赤色は、「食欲不振」。緑色は「気温」。
赤色は、「不眠」。緑色は「気温」。
赤色は、「疲労」。緑色は「気温」。
「食欲不振」、「不眠」、「疲労」は、おおむね、気温が高いときに、チェックする人が多くなり、気温が低いときにチェックする人が少なくなる傾向が見られました。
季節サイクルを持ったものは多い
ほかにも、季節サイクルを持った項目がいくつもあることがわかりました。
たとえば、「遅刻・欠勤」「朝、起きられない」などは、冬に多くなり、夏に少なくなる傾向が見られました。寒いときには、朝起きられなくなって、職場に行きたくなくなる人が増えるようです。寒い時期の欠勤は、風邪やインフルエンザなどが影響している可能性もあります。
また、「仕事上の変化」は、毎年4月に高くなる傾向が見られました。4月は、人事異動の時期ですので、大きな変化が起こりやすいのでしょう。
ストレスの「季節調整値」を算出して、トレンドを見ると・・・
ストレスの症状や要因には、季節性を持っているものがいくつも含まれていることがわかりました。
そこで、過去10年間のデータをもとに、統計手法に則り、「季節指数」を算出しました。
1月 | 1.01 |
2月 | 1.02 |
3月 | 1.01 |
4月 | 1.00 |
5月 | 0.97 |
6月 | 1.00 |
7月 | 1.01 |
8月 | 1.01 |
9月 | 1.00 |
10月 | 0.98 |
11月 | 0.99 |
12月 | 1.00 |
*外れ値を除いていますので、リーマンショックの影響、東日本大震災の影響は取り除かれています。
各月のストレス度を季節調整したところ、トレンドがより明確になりました。季節調整後のストレスと株価や為替との相関係数を計算してみると、季節調整前の値よりも高まっていました。
季節変動を取り除いたストレスのトレンドは、経済要因とかなり連動性が高いことがわかりました。