リーマンショックで、ストレスはこう変わった
ストレスの推移を見る際に、「平均値」の推移だけでは見えてこない点もあります。ここでは、ヒストグラム(度数分布図)で、ストレスの分布の状況を確認してみました。
ストレスの分布は10年間でかなり変化をしていました。
大きく変わったのは、リーマンショック(2008年9月)後です。リーマンショックによって、多くの人のストレス度が一段階くらい上昇しました。ヒストグラムの山が右にズレたような状態になっていました。
「高ストレス者」も増えましたので、特にケアが必要とされていた時期です。
警察庁のデータによれば、リーマンショックが起こった直後の2008年10月には、自殺者が目立って増加しています。また、2009年は2008年より自殺率が高まりました。こうしたデータとも整合していますが、リーマンショック後には高ストレス者がかなり増えていたようです。
株価上昇後に、ストレスはこう変わった
リーマンショックの影響がおさまり、株価が上昇し始めてからは、ストレスの分布が変わりました。(株価とストレスの連動性については、
こちら をご覧下さい。)
株価上昇後、ストレスの平均値は下がりました。ただ、残念ながら、「高ストレス者」の割合はほとんど減っていません。「中ストレス者」が減って、「低ストレス者」が増えたことが平均値を下げたようです。
全体の平均値が下がったことはすばらしいことですが、高ストレス者はほとんど減っていませんので、引き続き、メンタルヘルス対策などによる高ストレス者のケアが重要なテーマと言えます。