上記のグラフは、10年間のストレス(オレンジ色)と株価(グリーン色)の関係(年単位)です。両者がかなり連動している様子が読み取れます。
リーマンショックは、非常に影響が大きかった
10年間のストレスの推移を見ると、明らかにストレスレベルが上昇し始めた月があります。それは、2008年9月です。
この時期の大きな出来事としては、アメリカで
リーマンショックが起こり、日経平均株価が急落しています。
下記グラフは10年間のストレスの推移です。
リーマンショック前までは、ストレスは常に低い値を示していましたが、2008年9月から10月にかけて急上昇しています。リーマンショックがストレスに大きく影響を与えた可能性が高いと推測されます。
<ヒストリカル・チャート>
データは、10年間の全体平均値を0.5として換算しています。
リーマンショックの時期は、ストレスが急激に上昇し始めた
「第1の転換期」です。
アベノミクス以降、ストレスが下がり始めた
リーマンショック以降、4年ほどは、ストレスが高い時期が続きました。
しかし、2012年12月に政権交代があり、
アベノミクスによって株価が上昇し始めてからは、ストレスレベルが下がり始めています。この時期が
「第2の転換期」と言えます。
それ以降は、2014年4月の消費税増税前後にややストレスレベルが上がりましたが、全体としては下降傾向にあります。
ストレスは、驚くほど「株価・為替」に連動していた
上記のデータから、経済要因がストレスに大きな影響を与えていることが推測できますので、10年間トータルで、「ストレス」と「株価」との関連を分析してみました。
以下は、ストレスと「株価」「為替」との相関係数です。
■ 株価とストレス
日経平均株価とストレスの関係を調べてみると、相関係数は「-0.74」でした。相関係数は、0.7以上は高い相関と言われています(-0.7以下は高い逆相関)。「
株価が上がるほど、ストレスが減少する」傾向があることが確認されました。
■ 為替とストレス
為替レートとの相関をとってみると、相関係数は「-0.71」という値でした。「
円高になるほど、ストレスが高くなる」傾向も確認されました。
なお、学生版ストレスチェックのデータとの相関を調べると、日経平均との相関係数は「-0.16」、為替との相関係数は「-0.34」で、学生のストレスは、経済指標とあまり相関していないことがわかりました。学生の場合、経済以外の要因の影響力のほうが大きいと推測できます。
総合してみると、
社会人のストレスは、株価連動、為替連動が見られるのに対して、
学生のストレスは経済要因の影響をあまり受けていないようです。
株価1万3000円、1ドル=100円が、ストレスのターニング・ポイント
ストレスと株価、ストレスと為替の相関を、グラフで確認してみます。
ストレスと株価は逆相関の関係ですから、ストレスは反転させて表示しています(ストレスが高いほうがグラフが下がる)。また、細かい変動を取り除くために、それぞれの12か月の移動平均線をグラフ化しています。
グラフを見ると、ストレスと株価、ストレスと為替には、高い相関が読み取れます。
グラフでは、株価1万3000円程度、1ドル=100円程度がターニング・ポイント(ストレスレベルが平均値0.5から上下するポイント)となっています。
ストレスレベルは、株価が1万3000円を下回ると上昇し、1ドル=100円を超えて円高になると上昇する傾向が見られました。
過去10年間のデータを基準にすれば、「株価13000円」、「為替100円」が、ストレスに気をつけるときの一つの目安と言えます。
ただし、今後、株価水準が一段階上がる、あるいは、一段階下がるというようなことがあれば、目安は変わってくるでしょう。
「株価」がなぜストレスに影響するのか?
株価がなぜストレスに影響するのでしょうか。
その理由については、
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なお、他の経済指標(失業率、有効求人倍率、物価、景気ウォッチャー調査DI、NY株価、金融ストレス指数)との相関については、
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