ミスをしたときのダメージ・コントロール
今回はミスをしたときのダメージ・コントロールについて考えてみたいと思います。
世の中には、ミスをして許される職場はありません。どんな仕事でも、可能な限りミスを防いでいく必要があります。では、なぜミスをしてはいけないのでしょうか?
あまりにも初歩的な問いかけですが、ここに大切なヒントが隠されています。
ミスをしてはいけないのは、ミスをすることによって、何らかの「ダメージ」が発生するからです。もし何のダメージも発生しないのであれば、ミスをしても問題になることはありません。
たとえば、パソコンで文章を打つときに、一度もキーを打ち間違えずに文章を完成させられる人はまずいません。でも、そういったタイプミスが問題とされないのは、文章を提出する前に修正しているからです。修正が漏れてダメージが残ったままだと、問題になることもあります。
本当に防がなければならないのは、「ミス」そのものではなく、「ミスによるダメージ」です。その点を忘れてしまうと本末転倒のことが起こります。
ミスをしたときに、叱られるのが怖くて、正直に言えなくなることがありますが、ミスを隠すと、「ミスをしたことによるダメージ」よりも、「ミスを隠したことによるダメージ」のほうがはるかに大きくなってしまいます。ミスを修正しないまま仕事が進行していくと、「重大な結果」を招きやすいものです。
ミスをすると、頭が真っ白になったり、落ち込んだりしますが、そういうストレス状態を減らすには、気持ちを切り換えて、ダメージを最小化する方法を考えていくことです。ミスをしたことについては謝らなければいけませんが、ダメージを最小化できれば、最悪の事態は回避できます。それが、より大きなストレスの発生を防ぐことになります。
世の中には、ミスをして許される職場はありません。どんな仕事でも、可能な限りミスを防いでいく必要があります。では、なぜミスをしてはいけないのでしょうか?
あまりにも初歩的な問いかけですが、ここに大切なヒントが隠されています。
ミスをしてはいけないのは、ミスをすることによって、何らかの「ダメージ」が発生するからです。もし何のダメージも発生しないのであれば、ミスをしても問題になることはありません。
たとえば、パソコンで文章を打つときに、一度もキーを打ち間違えずに文章を完成させられる人はまずいません。でも、そういったタイプミスが問題とされないのは、文章を提出する前に修正しているからです。修正が漏れてダメージが残ったままだと、問題になることもあります。
本当に防がなければならないのは、「ミス」そのものではなく、「ミスによるダメージ」です。その点を忘れてしまうと本末転倒のことが起こります。
ミスをしたときに、叱られるのが怖くて、正直に言えなくなることがありますが、ミスを隠すと、「ミスをしたことによるダメージ」よりも、「ミスを隠したことによるダメージ」のほうがはるかに大きくなってしまいます。ミスを修正しないまま仕事が進行していくと、「重大な結果」を招きやすいものです。
ミスをすると、頭が真っ白になったり、落ち込んだりしますが、そういうストレス状態を減らすには、気持ちを切り換えて、ダメージを最小化する方法を考えていくことです。ミスをしたことについては謝らなければいけませんが、ダメージを最小化できれば、最悪の事態は回避できます。それが、より大きなストレスの発生を防ぐことになります。
人間にはダメージ・コントロール機能がある
残念ながら人間はミスをするようにできています。
一例を挙げると、人間の体は細胞分裂の過程で1日に数千個のDNAのコピーミスをしているそうです。24時間は1440分ですから、平均すれば1分間に1回以上は体内でミスが起こっていることになります。
しかし、幸いなことに「修復機能」が備わっていて、1000分の999くらいはミスが修復されて、ダメージが最小化されるようになっているようです。
その仕組みが「DNA修復」と呼ばれるもので、解明した研究者たちに2015年にノーベル化学賞が授与されています。もしDNA修復がなければ、私たちの細胞はがん化や老化が進んで、長く生きられないそうです。
私たちが健康な生命を保つことができるのは、DNA修復という、ミスの発生を前提にしたダメージ・コントロール機能が備わっているからです。ダメージ・コントロール機能が生存を支えてくれているとも言えます。
仕事においても、私たちは毎日多くのミスをしています。聞き漏らした、見落とした、言い過ぎた、タイプミスをしたなど、小さなミスを含めると大量のミスをしています。しかし、ミスをしてもダメージを修復しておけば、大きな問題にはつながりません。仕事の面でも、やはりダメージ・コントロールは重要なカギを握っています。
一例を挙げると、人間の体は細胞分裂の過程で1日に数千個のDNAのコピーミスをしているそうです。24時間は1440分ですから、平均すれば1分間に1回以上は体内でミスが起こっていることになります。
しかし、幸いなことに「修復機能」が備わっていて、1000分の999くらいはミスが修復されて、ダメージが最小化されるようになっているようです。
その仕組みが「DNA修復」と呼ばれるもので、解明した研究者たちに2015年にノーベル化学賞が授与されています。もしDNA修復がなければ、私たちの細胞はがん化や老化が進んで、長く生きられないそうです。
私たちが健康な生命を保つことができるのは、DNA修復という、ミスの発生を前提にしたダメージ・コントロール機能が備わっているからです。ダメージ・コントロール機能が生存を支えてくれているとも言えます。
仕事においても、私たちは毎日多くのミスをしています。聞き漏らした、見落とした、言い過ぎた、タイプミスをしたなど、小さなミスを含めると大量のミスをしています。しかし、ミスをしてもダメージを修復しておけば、大きな問題にはつながりません。仕事の面でも、やはりダメージ・コントロールは重要なカギを握っています。
あきらめるか? もう一度戦うか?
ダメージ・コントロールについては、後ろ向きのイメージを持つ人もいますが、ダメージ・コントロールの目的は明確です。
ここではアメリカ海軍のダメージ・コントロールの目的をご紹介します。アメリカ海軍のダメージ・コントロールの目的は「後日、もう一度戦うため」とされています。
艦船が被弾して沈没して、そこで戦いをあきらめるのなら何もする必要はありません。しかし、さらに戦う気があるのなら、沈んだ船を引き揚げ、修理して復活させる必要があります。「絶対にあきらめない」という思想がダメージ・コントロールの思想です。
仕事でミスをしてダメージが生じても、「絶対にあきらめない。もう一度戦う」という気持ちがあるのであれば、ダメージ・コントロールをする必要があります。ダメージさえ回復させれば、もう一度挑戦できます。そういう意味で、ダメージ・コントロールというのは、極めて前向きなものです。
一度や二度のミスでくじけずに、ダメージを最小化する。もし重大なミスをしてしまったとしても、絶対にあきらめずに、ダメージを減らすことを考える。そうすれば、もう一度戦うチャンスが生まれます。
ここではアメリカ海軍のダメージ・コントロールの目的をご紹介します。アメリカ海軍のダメージ・コントロールの目的は「後日、もう一度戦うため」とされています。
艦船が被弾して沈没して、そこで戦いをあきらめるのなら何もする必要はありません。しかし、さらに戦う気があるのなら、沈んだ船を引き揚げ、修理して復活させる必要があります。「絶対にあきらめない」という思想がダメージ・コントロールの思想です。
仕事でミスをしてダメージが生じても、「絶対にあきらめない。もう一度戦う」という気持ちがあるのであれば、ダメージ・コントロールをする必要があります。ダメージさえ回復させれば、もう一度挑戦できます。そういう意味で、ダメージ・コントロールというのは、極めて前向きなものです。
一度や二度のミスでくじけずに、ダメージを最小化する。もし重大なミスをしてしまったとしても、絶対にあきらめずに、ダメージを減らすことを考える。そうすれば、もう一度戦うチャンスが生まれます。
スペースシャトルにペンチの置き忘れ!
1993年4月に打ち上げられたスペースシャトルは、極めて危険な状況だったことが、打ち上げ後にわかりました。切り離されて落下した補助ロケットを回収したところ、その中にペンチの置き忘れが発見されたのです。危うく大事故につながるところでした。
調査してみると、打ち上げ6日前に製造業者の担当者はペンチがなくなっていることに気づき、上司に報告しましたが、上司は調査をせず、NASAに報告もしていなかったことが判明しました。
道具の置き忘れ自体は、誰でもしてしまうことです。ただ、そのまま放置してしまうと、大きな事故につながることがあります。
ミスそのものを完全になくすことはできません。しかし、大きなダメージにつながらないように、早い段階でダメージを最小化していくことは可能です。
重大な事故を防ぐためにも、小さなミスの段階でダメージ・コントロールをしておくことが大切です。
調査してみると、打ち上げ6日前に製造業者の担当者はペンチがなくなっていることに気づき、上司に報告しましたが、上司は調査をせず、NASAに報告もしていなかったことが判明しました。
道具の置き忘れ自体は、誰でもしてしまうことです。ただ、そのまま放置してしまうと、大きな事故につながることがあります。
ミスそのものを完全になくすことはできません。しかし、大きなダメージにつながらないように、早い段階でダメージを最小化していくことは可能です。
重大な事故を防ぐためにも、小さなミスの段階でダメージ・コントロールをしておくことが大切です。