国際医療の世界には、「Prevention is better than cure.(
予防は治療に勝る)」という有名な言葉があります。できることなら、医師や専門家の治療を受けずにすむように、予防するに越したことはありません。
しかしながら、「予防」というのは、現実問題として簡単なことではありません。どんなに健康に気を遣っていても、病気になることはあります。同様に、ストレスに対して、どんなに予防的な措置を講じていても、ストレスによって心身がダメージを受けたり、知的能力が影響を受けたりすることもあります。完全な予防を行うことは現実的には不可能です。
日常生活においては、いつも無理のない生活を送れるわけではありません。睡眠不足の日が続くこともあるでしょうし、働きすぎたり、飲み過ぎたりすることもあるでしょう。理想的な生活を続けることは、とても難しいことです。
そこで、次善の策として、兆候が現れた時点で、
早めにケアをすることが、現実的な予防策ということになります。
「cure(治療)」に至る前に、少し兆候が現れた時点で「care(ケア)」をしておくことが、ストレスによる疾患や障害の予防にとって、重要な要素と考えられています。
「ストレスケア(stresscare)」は、「予防(prevention)」と「治療(cure)」の間を補う要素です。本格的な疾患や障害に至る前に防ぐという点で、広い意味では「予防」に属すると考えられます。