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石器時代とコンピュータ社会
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石器時代には、ストレスでミスが起こっても、大した問題ではありませんでした。せいぜい、手元の作業を失敗する程度でした。
今は、道具が進化し、大きなパワーを持つコンピュータ・ネットワークを誰もが使っています。ストレスでボーっとしていて、パソコンの操作をちょっと間違えただけで、顧客情報や個人情報などが世界に流出してしまうこともあります。
産業機器や医療機器も、タッチパネル式に変わってきており、イライラや焦りで、タッチパネルを押し間違えただけで、死傷事故が起こることもありえます。
ストレスによる認知機能への影響そのものは、石器時代から大して変わっていません。しかし、現代社会では、大きなパワーとスピードを持つ道具を使っているため、ほんのちょっとしたミスが、甚大な結果につながってしまうことがあります。
文明が進化して、テクノロジーが発展すればするほど、ヒューマン・ファクターの観点がよりいっそう重要になってきます。高度なテクノロジーを持つ社会を、より安全に、より有効に機能させるためには、ストレスへの対応も欠かすことはできません。