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トンネル・ビジョン
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ストレス状態のときに起こる代表的な認知変化は、「トンネル・ビジョン」です。トンネルの中から外をのぞいたように、視野が狭窄化します。
航空機のパイロットは、緊急時になると計器パネルの全体を見渡さなくなり、視覚的にスキャンする範囲が狭くなることが知られています。1972年にはパイロットたちが、計器盤の小さなランプの球切れに気をとられ、高度の低下に気づかずに、墜落した事故が起こっています。
ストレス下では、視覚だけでなく、注意力(アテンション)のトンネル化も起こります。周辺情報への注意が行かなくなり、中心部分にトンネル化(集中化)していきます。
トンネル化が起こる理由は、ストレス下では脳が多くの情報処理をしなければいけなくなるため、情報処理がオーバーフローしないように、一部のタスクをシェディング(削ぎ落とし)し、処理を制限しているためと考えられています。