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航空宇宙心理学
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1960年代、70年代の宇宙開発は、米ソの熾烈な競争でしたが、技術面ばかりが重視されていたため、予期せぬ事態がいくつも発生しました。
アメリカのNASA(航空宇宙局)は、宇宙飛行士のスケジュールを詰め込みすぎていました。ある日、宇宙ステーションの飛行士が地上管制官の言うことを一切聞かなくなり、ストライキをするということが起こりました。
ソ連では、宇宙飛行士がどうしても地球に戻りたくなって、期間を早めて戻ってくることが起こりました。
初期の宇宙開発では、米ソとも、テクノロジーに重点を置きすぎていて、ヒューマン・ファクターがあまり考慮されていなかったのです。
「ヒューマン・ファクターを軽視すると、ミッションは成功しない」という認識が広がり、ソ連を中心に、1970年代くらいから宇宙心理学というものが研究されて発展してきました。その後、ソ連(ロシア)を追いかける形でNASAも研究に取り組みました。
近年は、「ストレス」と「認知」の関係についても熱心に研究されており、下記のレポートなどにまとめられています。
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「ストレスと認知とパフォーマンス」(NASA)
・「ストレスと認知」(NASA助成研究、リンク終了)
これらのレポートが興味深いのは、最先端のストレス科学、認知科学がまとめられているのですが、内容の分類は古代の仏教の「受想行識」ととても似ている点です。
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